揺らぐ性を生きる~私はジェンダー・フルイド

ジェンダー・フルイドという概念を1人でも多くの方に知っていただきたく、いろいろと書いております。

『女子的生活』(坂木 司)

女子的生活」のDVDを見ていたら、原作が読みたくなりました。

ドラマはほぼ原作通りなんですね。終わり方はけっこう違うけど、ストーリーはほぼそのままでした。小説のみきはもっと意地悪そうでしたけれど。笑

ということで、どちらから入ってもいいのではという感じです。

 

主人公の小川みきは、MtF(男→女)のトランス・ジェンダーで、しかも女性が好きという設定が、一般の人から見たら複雑なんだそうです。

けっこう良くある話ですが、世間の認識はそのようなものでしょう。

私はこのブログで、性自認と性対象は無関係だし、それを区別して考えないと性的マイノリティの問題は解決しないと強調してきたつもりです。

その意味では、過渡的な作品だと思いますし、これを見て分かった気になる人が増えるのはちょっと危惧するところです。

 

それでもNHKがドラマ化したことは、一定の意味があったように思います。

みきへ感情移入する人が増えることが、やはり第一歩だとも思うからです。

 

私が感心したのは、みきの心理描写です。

私は本当の女ではないので、実は正しく分かっているか自信がないのですが、それでも実際の女性はこんなふうに考えるのではないかというリアリティがありました。

この辺は、番組を見た女性たちと話してみたいところではあるのですが・・・。

 

まあ、とにかく賢いし、鋭いし、意地悪だし、そしていつも何かと闘っています。

 

作者の坂木司さんは、プロフィールで性別その他を公表していません。坂木さんが男性なのか女性なのかでも、いろいろ評価が分かれるところでしょう。

その意味で、プロフィールを公表することで先入観を持たれたくないという、坂木さんの戦略は成功しているのかもしれません。

性別の公表が先入観につながるというセンスは、特筆すべきだと思いました。