揺らぐ性を生きる~私はジェンダー・フルイド

ジェンダー・フルイドという概念を1人でも多くの方に知っていただきたく、いろいろと書いております。

昔はスネ毛を剃るのもたいへんだった

あたしが7年のブランクを経て、本格的に女性装を再開したのは1988年の誕生日の前日でした。

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最初に行ったのは、当時新大阪にあったエリザベス会館(数年後、同じ場所でパレットハウスとして独立しました)です。その頃は女性装ができる場所と行っても、エリザベス会館ぐらいしか知らなかったのです。

エリザベス会館は、あたしにはあまり合いませんでした。忘れ物をしたときのスタッフの対応がイマイチだったこともあって、別の場所を探すことにしました。

 

スポーツ新聞の広告を見ていたら、土曜日の昼間からやっているお店がありました。

電話をしたら、マンションの1室とのこと。ちょっと怖かったのですが、電話の応対が優しそうだったので行ってみることにしました。

 

電話の声がハスキーだったので男性か女性か分からなかったのですが、行ってみたら小柄の女性だったので、緊張は解けませんでしたが、入ることにしました。

 

お店の名前を正確に覚えていません。今はたぶんなくなっているでしょう。

服を貸してくれて、メイクもしてくれて、お酒も飲めて8,000円。若い会社員にはちょっと痛い出費かもしれませんが、こういうお店としては格安でした。

ママは昔SMの女王様をしていたらしく、その当時は出張SMの仕切りもしていました。なのでたまに女王様が寄ったりしていたのですが、普通の女の子だったのでびっくりしたりもしました。

 

ママにメイクをしてもらっていたときに出たのがスネ毛の始末の話。

「会社員ならやっぱり剃るのはまずいわよ。パンストを2枚重ねにするか、オキシフルで脱色する程度よね。ビールでもできるわよ」

ビールよりはオキシフルのほうが安いなあと思いながら聞いていました。当時はスネ毛を剃るのもたいへんだったのです。

私自身、会社の独身寮に住んでいて、風呂も共同でしたから、スネ毛やワキ毛を剃るなんて思いもよりませんでした。

 

その後、インターネットが普及してから女装関連のサイトを見るようになりました。そこでも、「会社のゴルフコンペに行くので1ヵ月すね毛を伸ばしてたんだけど、ようやく剃れる!」といった女装子さんの書き込みがあったものです。

2000年前後の話です。

 

いまはアスリートがスネ毛を普通に剃るので、その影響か、スネ毛を剃っている男性が珍しくなくなりました。

短パンの男性の半分ぐらいは何らかの始末をしているようです。70歳ぐらいの男性もスネ毛を剃っていて、ちょっと驚いたぐらいです。

あたしも2、3日に一度はスネ毛を剃っています。

旅行に行くからといって1ヵ月も前から伸ばす必要はありません。そのまま大浴場に入ってもぜんぜん平気です。気にする人は誰もいません。