最大多数の最大幸福
「最大多数の最大幸福」という言葉があります。
あたし、なぜかアダム・スミスの言葉だと勘違いして憶えていました。
スミスは、需要と供給の関係で価格が決まることを「神の見えざる手が社会全体の利益をもたらす」と言ったのでした。
「最大多数の最大幸福」は、イギリスの功利主義者ジェレミ・ベンサムの言葉です。
何となく「神の見えざる手が最大多数の最大幸福をもたらす」と憶えていたのでしょうね。
神と幸福って親和性がありますし、「社会全体の利益」と「最大多数の最大幸福」もよく似ています。
でも、似ているようで、よくよく考えると違います。
「社会全体の利益」が達成されたとしても、最大多数が幸せになるとは限りません。
GDPがとても多くても、1%ぐらいの人しか幸せでない国もありそうです。
ところで、ベンサムが同性愛の擁護者というのは、上のWikiを読んではじめて知りました。
功利主義が肯定的に語られる例として、当時のイギリスでは禁止されていた同性愛の擁護が挙げられる。ベンサムは、同性愛は誰に対しても実害を与えず、むしろ当事者の間には快楽さえもたらすとして、合法化を提唱した。この他、功利主義によれば被害者なき犯罪はいずれも犯罪とならない。
「功利主義」的に同性愛もあり、と聞くと若干抵抗もありますが、ベンサム自身は「最大多数の最大幸福」という言葉からもイメージできるように、やさしい人だったのだと思います(でも、のちに「最大幸福原理」に変化したのでした)。
いずれにしてもこの時代に同性愛擁護なんて、社会的地位を全て無くすかもしれない「暴挙」であり、すごい人だったんだなあと改めて知りました。
LGBTQに関しては、「最大多数の最大幸福」原理で考えるのがいいと考えます。