揺らぐ性を生きる~私はジェンダー・フルイド

ジェンダー・フルイドという概念を1人でも多くの方に知っていただきたく、いろいろと書いております。

決めつけが激しすぎる・・・

7月7日に1日ママをやらせてもらうイベントがあり、その会場となる銀座8丁目のUで、Uのママと打ち合わせも兼ねて飲んでいました。

 

打ち合わせが終わってマッタリしていたら、まだ早い時間に1組のお客様がお見えになりました。

中学・高校のときに同級生だったという80歳の男女です。

艶っぽい雰囲気はなく、本当に男女の友達という感じでした。

最初は好ましく思っていたのですが、この2人の会話がひどい・・・

 

男性は、T大の法学部を出て、どこか有名な企業の社長だったという方(ママから教えてもらいました)。

紳士然としていますが、全身から発している「俺様は偉いんだ」オーラが、ちょっと鼻につきます。Yとしておきましょう。

 

女性は、どこかの大学の文学部を出てから、某キー局でアナウンサーを経験後、女優になり、その後海外暮らしをしていました。

帰国後、最近亡くなられた超大物演出家が主催する劇団に誘われて、今も現役で女優を続けています。こちらはXとしておきます。

 

Yが最近Xが出演した演劇を見に行き、なんでそんなことをするのか分かりませんが、酷評したんだそうです。

もうこの時点で訳が分からない。なんで二人で飲みに来るの。笑笑

ただ、Xがセーラー服を着たのだそうですが、それだけは「昔とあまり変わらなかったよ」と褒めたのだそうです。

でも、焼けぼっくいという感じでもないんですよね。たぶん、二人とも友達がいないのでしょう。

 

で、この2人の何がひどいかというと、決めつけが激しいのです。

 

Yは、かなり前に盗撮でつかまった著名な経済評論家Uと知り合いなんだそうです。朝の情報番組でおなじみだった人です。

「Uはすごいやつだったんだぞ」と男性が言います。実は私も同意見です。もったいない人でした。

「しかし、盗撮なんかでつかまったのがいけない」。これも同意。

ですが、このあととんでもない意見が開陳されます。

「なんで、あんなチンケなことをやるかな。どうせやるならレイプとかにしろよ」

はあ??????

「盗撮なんかさせてやりゃあいいんだよ。あんなの犯罪じゃないだろ」

おいおい。T大の法学部というのはこんな教育をしているのでしょうか?

日本が良くならないわけです。

立派な犯罪ですよ。犯罪だから罪に問われたわけで。

 

どうもよく話を聞いていると(声がでかいし、マシンガンのように話すので、どうしても聞こえてくるんです)、Yは「性癖」というものに「貴賤」があると思っているようなんですね。

レイプは「貴」(んなわけないですけど)、盗撮は「賤」(これはそうだけどさあ)みたいな価値観があるようなんです。

私の考えでは、性癖に貴賤なんてありません。やむにやまれぬ衝動というものがあって、それを制御しきれないという意味では違いはありません。

ただ、残念ながら犯罪となるものがあり、それはやはり良くないことです(*1

 

聞いていて、だんだん分かってきたのは、その価値観の根底はどうも「男らしさ」ということのようなんです。

うーん。

腹が立つより、頭がクラクラしてきました。

 

「男らしさ」的な話に、Xが反応し、さらにとんでもない方向に話が展開していきます。

 「今の若い女性は不幸よ。男性らしい男性がいないから、女性らしくなれないのよ」

とXは強く主張します。

なんたるアナクロさ!

(何よ? 私みたいなのがいるから、女が女らしくないとでも言いたいの?)と、私は心中穏やかではありません。

ちなみに私はその時女性の格好をしていました。気づいていたかは分かりません。二人とも他人に関心はなさそうなので、気づいていないほうに賭けますけど。

 

ここでやめておけばいいのに、さらに恐ろしいことを言い始めるX。

「徴兵制を復活すればいいのよ。何年間か厳しいところで鍛えないと、今の男はダメ」

Xも一応戦争には反対らしいのですけど、軍隊賛美者ではあるようです。

「こんなことを言うと、みんな『危険思想』だというのよ」とXは嘆きます。

あたりまえよ!!! 男を鍛えるためだけに徴兵してどうするって言うのよ???

 

私も軍隊=悪と決めつけるわけではありませんが、ではいいところかと言われると疑問です。

たぶん少女時代に、海軍の兵隊さんに憧れていたのでしょう。

終戦時には7、8歳ぐらいだったはずだから、おませな女です。笑笑

 

全体的にこんな感じの会話でした。

それ以外は、Uのモニターに映る海外の風景を見ながら、あそこはよく知っていると自慢する程度。Xは海外暮らしをしていましたが、Yも海外経験が豊富なのです。

ああ、鼻につく。

 

お互い極端なことしか言わないので、Yの意見にはXはだいたい反対だし、Xの意見にもYはだいたい反対でした。笑

反対であることを表明する際には、やたらと声がでかくなってうるさいこと、うるさいこと。そうでなくても高齢の方は声が大きいというのに・・・。

特にXは、元アナウンサーで、現女優ですから、声量がものすごい。

言い合いみたいになっていましたが、結局は似たもの同士という感じです。

 

とっとと帰ってと念じていたのですが、2時間ぐらいいたと思います(長く感じただけかも)。

 

私の両親(こちらも同い年)より1歳年上ですが、うちの両親はここまで独善的ではないように思います。そういう意味では感謝です。

 

とにかく不愉快でしたけど、あまりのことに現実感が希薄で、腹も立ちません。

老害」って言葉はあまり好きになれないのだけど、それ以外の言葉が思い浮かばないお二人様でした。

*1:ただし、「女性装」も犯罪だった時代があります。これについてはまた触れたいと思いますが、社会的通念と犯罪、そして政治といった難しい問題であり、私が論じ得る範囲を超えています。