揺らぐ性を生きる~私はジェンダー・フルイド

ジェンダー・フルイドという概念を1人でも多くの方に知っていただきたく、いろいろと書いております。

三人称に隠れた差別

三人称を書くとき、私はいつも釈然としない。

なぜ「彼」と「彼女」に分けないといけないのだろう。

あと「彼ら」を「彼ら・彼女ら」と併記するのは無様だとまで思う。

おそらく明治以降の風習だと思う。いちおうググってみたら、こんな記事もあった。

business.nikkeibp.co.jp

これを証拠だと決めつけるわけではないが、ある程度私の考えを裏付けてくれている。*1

要するに、日本では昔はみんな「彼」だったのだ。

日常でも仕事上でも男女を区別する必要性はあまりない。

なので、基本的には三人称は「彼」と「彼ら」だけで押し切りたい気持ちになることが多い。ただ、職業上(ライターをやっています)それをやると「常識がない」とされる。

また女性も「彼」呼ばわりされると、気を悪くする。

「彼ら・彼女ら」と併記しないと、女性蔑視みたいに言われることもある。私としてはまったく逆の動機からなのに・・・

 

私のような人間に対して、英語ではどう扱おうとしているのか?

Facebookを見ると分かるのだが、呼称としては、heでもsheでもなくtheyと呼ぼうとしている。何だか「その他おおぜい」みたいでいやだなw

以前は、「s/he」という表記をしようという提案もあった、と記憶している。最近見かけないのだが、面倒くさくなったのだろうか?

表記はまだしも、発音の仕方がよく分からないし、男女平等というよりも女性上位的なので普及は難しいだろうと思ってはいた。

 

私が若い頃は、文章での女性の敬称として「氏」をつけると注意する先輩がいた。「女史」が正しいというのだ。*2

その頃からも女性に対して「氏」は普通に使われていたと思うが、今となっては「女史」を強制する人はいなくなった(身近にいないだけかもしれない)。

こういうことは少しずつ変わっていくのだろう。

 

三人称を書くたびに、悶々としている人間がいることから、まず知ってもらいたい。*3

*1:『彼氏」という言葉が「彼女」のあとに出てきたという話は興味深かった。

*2:ライターではなく、IT業界の人だ。

*3:私が自分をいわゆる「女装者」と違うと感じるのは、このあたりの感覚にあるのだが、これはまた別の機会に書きたい。